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リンク債(ノックイン債)

 

リンク債とは、EBと同じようなストックデリバティブ系の仕組み債の一種です。日経平均リンク債などのように名称の前に対象となる指数や銘柄の名前が入ります。ノックイン価格というものが定められており、その価格に達しなければ(下落しなければ)高配当が得られ、ノックインした場合は元本割れで償還されるリスクがあります。ノックイン債と呼ばれることもあります。

 

リンク債(ノックイン債)のしくみと特徴

リンク債とは、デリバティブを活用した仕組み債の一つです。代表的なリンク債としては以下のような債券(仕組債)が挙げられます。

日経リンク債
名前の通り日経平均とリンクしている債券です。株式デリバティブを使った仕組み債の一種で、一般の債券よりもかなり高いクーポンレート(利息)がでますが、事前に定められている日経平均株価が一定を下回らない場合は、そのまま額面で償還されますが、割込んでしまった場合は、債券の償還が日経平均に連動するような形になります。通常ノックインした場合は、投資元本を大きく下回ることになります。

クレジットリンク債
クレジットリンク債とは、クレジット(信用)とリンクさせた債券(仕組債)です。クレジットリンク債は通常の債券よりも高い利息(クーポン)が支払われますが、事前に定められているある会社(団体)がデフォルト(債務不履行)を引き起こした場合、債券の償還がクレジットリンクされている会社の債券で行われるという債券です。

 

リンク債(ノックイン債)のリスク

この債券は実はかなり「リスクの高い」債券です。もっとも「ノックイン」しなければ特別問題はないのですが、ノックインした場合は多くのケースで大きく元本割れを起こします。

よくあるパターンとしての日経平均リンク債(ノックイン債)をみてみましょう。通常満期時の条件は下記のようになっています。

(1)一度もノックイン価格を下回らなかった場合
額面償還

(2)一度でもノックイン価格を下回った場合
額面金額×参照価格÷基準価格で償還される

(1)の説明は割愛します。
(2)についてですが、大きく「基準価格」「ノックイン価格」「参照価格」の三つが存在します。

基準価格:この仕組み債が設定されるときの日経平均株価
ノックイン価格:「基準価格」×「指定割合(たとえば60%」
参照価格:満期償還時の日経平均株価

例)現在の日経平均株価が9000円、ノックイン価格5400円として、ノックインしてしまった場合の満期時の償還金額を計算します。投資額(額面)は100万円とします。

参照価格 償還価格
9000円以上 100万円
8000円 88万8900円
7000円 77万7800円
6000円 66万7千円
5000円 55万6千円
4000円 44万4400円
3000円 33万3300円

上のように参照価格(満期時の日経平均株価)が下がるほど、償還される価格も下がってきます。債券という名前はついていますが、株価の下落がモロに反映される債券というわけです。
一方、ノックインしたあと、その後株価が急回復して基準価格を超えた場合でも通常償還される金額は額面までとなっています。

そのかわり、通常の債券よりはかなり高い利息をもらうことができます。
ただ、高い利息についても少し曲者で多くの場合「早期償還条項」が付帯しています。これは一定の株価を超えると早期償還しますよというものです。
たとえば基準価格が9000円の場合9500円くらいに早期償還価格が決められておりこれをこえると期限前に償還されるので高い利息を受け取れないということもあります。

 

リンク債(ノックイン債)の特徴

簡単に説明すると
・株価の値上がり益はないが一定以上(ノックイン価格以下)の値下がりリスクは負う
・上のリスクを負う代わりに高い利息を受け取れる

という債券です。「一定以上の値下がり」とあるように設定時点ではここから40%以上も値下がりはしないだろう。と思われるような条件になっています。
「今後大幅な値下がりがあるかどうか?」が焦点です。

 

リンク債(ノックイン債)は途中償還に注意が必要

また、最近のリンク債の発行条件をみていると多くの債券に「途中償還条項」が付与されています。内容としては、基準価格を5%上回ったら償還します。というものです。
どう問題なのかというと、「ノックイン価格を下回りそうにないくらい株価(株価指数)が上昇したら償還される」わけです。

投資家は、リンク債の購入により株価下落リスクを負ったのに、株価が上昇してリスクが小さくなったら、早期に償還されて高い利息を受け取る機会が奪われるわけです。

結構ひどい話だと私は思いますね。リンク債(ノックイン債)に投資をする際は早期償還に関する条項も詳しくチェックしましょう。

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※仕組み債は発行される債券ごとに様々な特徴や特別な条件が付帯されていることが多いです。そのため、上記の説明とやや異なる条件や設定となっている債券も多く存在します。不明な点は販売会社にしっかりと問い合わせをして、自分がしっかり理解できることが大切です。

 

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