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割引債とは何か?

 

割引債(わりびきさい)とは、債券の種類の一つです。債券が発行される際、額面よりも安い金額で購入することができる代わりに途中のクーポン(利息)は支払われないというものです。債券額面よりも安く手に入れることができ、償還時には額面で償還されるため、その差額が収益となります。対義語は利付債

 

割引債とは

債券には「額面」と呼ばれるものがあります。額面とは債券の金額のことで、通常「100円」が単位となります。通常の債券(利付債)の場合、額面で発行されて満期日には額面で償還されます。例えば、額面である100円で債券が発行されて満期には100円で償還されます。その代わり一定の時期ごとにクーポンと呼ばれる利息(金利)を受け取ることができます。

割引債とは、発行される債券の額面が割引されて発行される債券です。例えば額面100円の債券が発行時点では90円で発行されるというものです。満期日には当然額面である100円で償還されますので、割引債に投資をした投資家は額面と割引価格の差額である10円を収益として得ることができます。その代わり通常利付債にはある期中の利息(クーポン)はありません。

 

割引債の金利表記には注意!

たとえば、下記のような債券があるとします。

債券A(割引債)
応募者利回り6%  満期10年

債券B(利付債)
応募者利回り5% 満期10年

さて、どちらがお得でしょうか?なお、市場では常に同じ利率で新規に債券の発行が行われているものとします。

債券A!と答えた方は複利についての勉強をしましょう。

それぞれ100万円を投資したとしましょう。

債券A(割引債)の場合

割引債ですので応募者利回りが6%で満期10年ということは10年後に投資資金が160%になっているということです。ということは100万円の投資資金が10年後に160万円になっているということです。

 

債券B(利付債)の場合

応募者利回りは年5%ですので、年に5万円の利息が入ります。ですから100万円を投資すれば最終的に100万円の元本と、利息として5万円×10年=50万円がもらえたことになります。
合計すると150万円です。

しかしながら、投資の視点では、この利付債の「利息」は毎年受け取れていたことを考える必要があります。つまり、毎年5万円は「別に投資が可能である」ということです。

市場では常に同じ利率で新規に債券の発行が行われているものとします。

としていることから、この5万円は新しく債券へ積立投資をすることが可能になるということです。
再投資された5万円はさらに利息を生んでいきます。つまり「複利」による運用ができるわけです。

そうやって考えていくと、この毎年の5万円の利息も新しい債券Aへの投資に回すことができます(再投資)。翌年以降も給付された利息を再投資していくと考えていくと、総利息は下記のように示されます。

1年目の利息:5万円
2年目の利息:10.25万円
3年目の利息:15.7625万円
4年目の利息:21.5506万円
5年目の利息:27.6281万円
6年目の利息:34.0095万円
7年目の利息:40.7100万円
8年目の利息:47.7455万円
9年目の利息:55.1328万円
10年目の利息:62.8894万円

すると、当初の元本である100万円に加えて、利息である62.8894万円を受け取ることができるということになります。合計は162万8894円です。

このように、利付債は生じる利息を再投資できるのに対して、割引債の場合、利息が支払われるのが満期時一括となるため、複利効果を活かすことができません

そのため、割引債の利回りを評価する場合は単利を複利に計算し直してあげることが大切です。

 

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