EB債(他社株転換条項付き債券)
EB債とは、ある株式に転換される条項が付いている債券です。「転換社債」と似ていますが、投資家自身が任意で株式に転換するのではなく、一定の株価水準(トリガー価格)に達した場合は自動的に株式に転換されます。ストックデリバティブ系の仕組み債の一種です。
EB債のしくみと特徴
EB債はある株式に交換される条件が付帯している債券です。EB債に投資をすると、高い利回りのクーポンを受け取ることができます。しかし、その対象となる株式の価格が一定の株価(トリガー価格)を割込んでしまった場合、EB債に投資している資金は全額「株券」として途中償還されてしまいます。
通常EB債が途中償還される場合、EB債設定当時の株価で購入したものとなされてしまいますので、途中償還された場合は、投資元本を大幅に下回った形で償還される形になります。
例えば、A社の株式についての転換条項が付帯している仕組み債があったとします。現在のA社の株価は1000円で、トリガー価格は800円とします。満期は3ヶ月で利回り(クーポン)は年利換算20%とします。途中償還の条件はA社の株価がトリガー価格に達した時点とします。
上記の条件でEB債を1000万円分購入したとします。仮に一度もトリガー価格に達することなく、3ヶ月(満期)を迎えることができた場合、1050万円が払い戻されます(1000万円の元本+利息50万円)。
しかし、2ヶ月が経過した時点でA社の株価がトリガー価格に達した場合はどうでしょうか?同EB債はトリガー価格に抵触したことから途中償還されます。
償還された場合は、当初の株価1000円で1000万円分の同社株購入と同じことになりますので、A社の株式1万株と利息33.3万円(経過利息)を受け取ることになります。
A社の株式取得価格は1,000円ですが、現時点では800円にまで値下がりしているので、実質的な価値は800万円しかありません。利息分を加味しても833万円と元本を大きく下回ってしまいます。
このように、EB債は株価がそのトリガー価格を下回らなければ高い利息が得られるが、下回った時点で株の値下がりリスクを負うことになる商品といえます。
EB債のリスク
上述の通りEB債という債券は債券という仕組みではありますが、かなり高いリスクを抱えている債券です。EB債を購入することにより投資家は高い利回り(クーポン)を得ることができますが、その代わり、株式の価格変動リスクを負うことになります。
例えば、例の場合A社の株式の価格変動リスクを投資家は負っています。対して、A社の株価が上昇した場合でも利益を得ることはできません。その代わり高いクーポンのみを得ることができるという仕組みになっています。
取引的には、債券の買い手(投資家)は債券への投資に加えて、対象株式に対するプットオプションの売りという投資を行っている状態であると考えることができます。
(参考:プットオプションとは)
複数の株券を組み合わせたEB債
先ほどの例では、一つの株式が対象でしたら複数以上の株式が対象となるEB債もあります。
たとえば、3社の株式で計算されるEBなどがあります。
※仕組み債は発行される債券ごとに様々な特徴や特別な条件が付帯されていることが多いです。そのため、上記の説明とやや異なる条件や設定となっている債券も多く存在します。不明な点は販売会社にしっかりと問い合わせをして、自分がしっかり理解できることが大切です。
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