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債券投資と定期預金の違い

 

債券という金融商品は、資金を発行体に貸して一定期間ごとに金利(利息)を受け取り、満期になったら元本が償還されるという商品です。定期預金は銀行に一定期間貸して利息を受け取り満期になったら払戻をうけるという商品です。お互いとっても似ていますね。ここでは、こうした債券投資と定期預金との違いについてまとめていきたいと思います。

 

債券と預金の違いのまとめ

債券と預金は性質的にはかなり似ています。
しかしながら、部分部分で異なるところも多い金融商品です。以下でまず債券と預金(定期預金)にどのような違いがあるのかを表で見比べていきたいと思います。

 
債券投資
預金(定期預金)
途中解約

不可。ただし、市場で売却することで現金化は可能(一般には証券会社が買い取る)。
途中で売却する場合、利益が出ることもあるが、損失が出ることもある。

可能。ただし、ペナルティ金利(中途解約金利)が適用され、金利が大幅に下がってしまう。
しかし、元本を割ることはない。

元本の保証

満期時に額面金額が支払われる。投資時点(発行時点)から満期まで保有すれば元本割れとなることはない。
既発債の場合この限りではなく、取得価格に応じて損益が生じる。

満期時に預金元本が支払われる

発行体の破綻時
( 銀行 )

発行体が返済不能となった場合は、その発行体の余力により返済される。発行体の財務内容によっては投資額以下しか戻らない場合もある

1000万円とその利息分までは預金保護される。ただし、それを超過した分については保護の対象外となる。 ただし、外貨預金の場合は保護の対象外となる。

金利

債券によって異なるものの、原則として固定金利のものが大半を占める。 同じ期間の場合、一般に金利は定期預金よりも高い。

金利水準は債券よりも低い。

リターン

・インカムゲイン(金利収入)
・キャピタルゲイン(途中売却益)

・インカムゲイン(金利収入)

リスク

・発行体の破綻リスク
・途中売却時の価格変動リスク

・銀行の破綻リスク

 

上記が、債券と定期預金との差を大まかに比較したものです。債券は場合によってはかなり特殊なものもありますが、上記では一般的な利付債をベースに比較しています。

さて、表を見てもよくわからない。また説明不足と思われる方も多いかもしれません。下記では、債券投資と定期預金についての大きな違いをまとめて解説していきます。

 

途中での解約(売却)における違いがある。

まず、債券については途中で投資家側の都合により満期を早めて貰うということは原則できません。債券を発行した会社や政府などは満期までの期間保有してもらうことを前提に証券を発行していますので、途中解約などはできません。

しかし、債券は証券ですので、市場において第三者に売却することは可能です。この場合時価で売却することになりますので、購入時と同じ金額で売却できるとは限りません。その時点の発行体の信用リスクや市場金利などに左右されます。

損をしてしまうことがあるかもしれませんし、逆に譲渡益を得ることができるかもしれません。
(債券価格の変動については別途詳しく説明します。「債券価格のしくみ」)
ちなみに、一部の債券は株と同じように証券取引所で売買されていますが、それ以外の債券については原則的には証券会社に買い取ってもらう形になるのが一般的です。

次に定期預金の場合ですが、こちらも原則として途中で引き出すことはできませんが、ペナルティ金利の適用でかまわなければ途中解約することはできます。定期預金も銀行と預金者が○年間預金をするから、普通預金よりも高い金利をつけるね、という約束ですのでそれが破られることにより、これまで預けていた期間分も普通預金とほぼ同程度の低い金利しか適用されません。
(参考:定期預金の解約

こうした面では債券よりも定期預金の方が投資家にとっては有利といえるでしょう。定期預金の場合はいつ解約した場合であっても「元本を下回ることはない」からです。
一方で、債券投資の場合は、途中でどうしても現金化したいという場合には投資額を下回る金額しか戻ってこないリスクがあるわけです。

 

債券における元本保証

債券の場合、新発(あたらしく発行される)債券を購入する場合、通常は100円の額面として発行されます。これは、満期まで保有すれば100円で償還(元本の支払い)をしてくれます。
この支払いについては債券の発行体が保証しています。

ですから、元本保証という面では定期預金も債券も同じということになりますね。ただし、債券の場合、下記で紹介する発行体の信用リスクが存在します。

 

発行体(銀行)が破綻した場合の債券と預金の違い (信用リスク)

債券の元本や利息の支払いは債券を発行している発行体が保証しています。
日本国債の場合は日本国政府がその支払いを保証しているわけです。

しかしながら、保証しているのは発行体のみで、その発行体が何らかの理由により支払いができない場合があります。これを「デフォルト(債務不履行)」と呼びます。

ただし、このデフォルト自体は、債券でも定期預金でもありえる話です。過去には銀行の中にも倒産した銀行もありましたからね。

ただし、実際に発行体がデフォルト(債務不履行)または倒産した場合、その後の保障は債券と定期預金とで違いがあります。

債券の場合
発行体の財務状況の範囲で支払われる。基本的に倒産する会社は借金の方が財産よりも多い債務超過の状態になっていることが多いので、戻ってくるお金は投資したお金よりも少なくなるのが一般的。

定期預金の場合
原則として銀行の財務状況の範囲で支払われます。しかしながら、預金保険により預金者1名あたり1000万円とその利息までは全額保護されます。それを超過した金額については銀行の支払い能力に応じて返済される形となります。

このように、定期預金の場合は、万が一の場合でも手厚く保護されているということがわかります。一方で、債券の場合は投資家の自己責任ということになってしまいます。
これが、債券投資における最大のリスクといえます。こうした発行体の倒産・デフォルトリスクのことを「信用リスク」と言います。
これは試験にでるので覚えておいてください。

そのため、債券投資においては「格付(信用格付け)」と呼ばれるものが重視されます。格付とは債券を発行する会社や政府などの安全性を示す指標です。この指標が高いものほど安全性が高いとして債券投資においてはかなり重視されています。
一方で債券は信用リスクがより高いものほど、高い利息が提供されます。このリスクとリターンをどうとらえて投資をするのかが債券投資の醍醐味ともいえます。

 

債券と定期預金はどっちがいいのか?

最終的に債券投資と定期預金への預金はどっちがいいのか?ということについての答えはありません。絶対にリスクを負いたくないというのであれば当然定期預金が選択されるでしょうし、多少のリスクを負ってでも、ゴミみたいな低金利で預金したくない。というのであれば債券投資が選択されるでしょう。

最終的には投資家である皆さんの判断となります。ただ、信用リスクを考えてもトップページで紹介したとおり、日本政府が元本を保証している国債の金利が、一民間金融機関の定期預金の金利の2倍~7倍ほどあるというのは投資対象として十分に魅力的であると私は考えています。

次は債券投資のより具体的なメリットを解説していきます。

 

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