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債券投資と信用格付

 

債券投資において債券の発行体の信用リスクを調査する上で最も役に立つのが格付機関が発表している発行体の格付です。有名どころではスタンダード&プアーズやムーディーズなどが有名です。それぞれA~Dのアルファベットを使って発行体の信用格付を発表しています。ここでは、信用格付けと債券との関連について詳しく解説していきます。

 

信用格付とは何か?

信用格付とは、格付機関が「その会社(団体)の長期的な債務支払い能力を評価した上でランク付けしたもの」です。AAA~Dの評価を行っています。その評価ごとに長期的な債務の支払い能力(=社債などの債券をデフォルト(債務不履行)なしに支払えるか?)を格付しています。

企業の成長性などではなく、あくまでも「財政上の安定性」を評価しています。

 

信用格付の例と具体的な評価内容

以下では、具体的にS&P社とムーディーズ社における格付とそれぞれの格付に対する評価を分かりやすくまとめています。

BBB以上を投資適格、BB以下を投資不適格(投機的格付)と呼びます。この分かれ目が大きな差となります。

ムーディーズ
S&P
信用格付の評価

投資適格
健全性が高く、債務の履行(債券の償還等)に対して問題がないと判断される格付。なお、AAA(Aaa)が最も高く、下になるほどややその確実性(健全性)が低くなる。(投資適格債

Aaa
AAA
最上位の格付け。債務履行の確実性が最も高い。
スイス、ドイツなど
Aa
AA
債務履行の確実性は極めて高い。
アメリカ、中国、日本など
A
A
債務履行の確実性は高い。
韓国など
Baa
BBB
債務履行の確実性は高いが、将来確実とはいえない。
ロシア、ブラジルなど

投資不適格
健全性にやや問題があると判断される。今後の債務の履行について問題がある。以下の格付企業が発行する債券を、ハイイールドボンド・ジャンクボンドと呼ぶ。

Ba
BB
債務履行に当面問題はないが、将来確実とはいえない。
フィリピンなど
B
B
債務履行の確実性に問題があり、将来債務不履行(デフォルト)となる可能性がある。
スリランカ、エジプトなど
Caa
CCC
現時点で不安定な要素があり、将来的に債務不履行(デフォルト)となる可能性がある。
Ca
CC
債務不履行(デフォルト)となる可能性が高い。
ギリシャ
C
C
債務不履行(デフォルト)となる可能性が極めて高い。
D
D
現時点で債務不履行(デフォルト)をおこしている。

なお、格付け下に記載している国は「S&P」における平成24年8月時点の格付けとなります。

 

信用格付と債券との関係性

債券投資をする場合、信用格付が高い国や会社(発行体)ほどデフォルト(債務不履行)のリスクが小さいことになりますので、投資に向いているといえます。対して信用格付が低い会社ほど債務不履行のリスクが高いことから敬遠されます

そのため、信用格付が低い(=信用リスクが大きい)会社が発行する債券ほど、投資家に投資をしてもらうために、高い利回り(クーポン)を約束しています。投資不適格(B以下)債券はジャンクボンド(ジャンク債)、ハイイールドボンド(ハイイールド債)などと呼ばれます。つまり、リスクも高いけど、その分金利も高いよ、という債券になります。

債券価格のしくみ」でも債券の信用リスクが価格に及ぼす影響を解説しましたが、信用格付け(信用リスク)と債券の金利(価格)は密接にかかわっています。

特に「信用リスクの大きさは期間が長くなるほど大きくなります」。明日のことは想像できますが、10年後のことは想像できないのと同じです。
たとえば、今はA格の格付けの国(企業)であっても10年後どうなっているかは確実に予想することはできないわけです。

債券投資の基本としては、長期投資となるのであれば高格付けの債券を。高利回り債に投資をするのであれば、短期の債券に投資。となります。

なお、債券投資信託の中には、このような投資不適格債を集めたファンドもあります。「ハイイールドボンドファンド」などの名称で呼ばれます。ファンド化して沢山のジャンク債を集めることで、デフォルトのリスクを一定にすることで高い利益を得ようとするファンドです。

 

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